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Degital Devil Story
She Staied at here


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深い青・・・光が届けばきっとその色だろう。
その中に漂う小さな塵の集まりによって、そこはほとんど静かな真黒であった。
だがその静寂も昨日までの話。
今は円錐の光を出す透明な眼と細い腕が2つづつ。
這うように静かに静かに動いていった。
地中海かつて貿易の要としてここにはいくつもの船が通り沈んでいった。
そして潜水艇。
今日この日のために用意した、特別仕様の物である。
見た目はタイタニックのサルベージ艇と変わらないがコレは物好きな財団が、今回の調査の
ためにカメラ部分と、推進力に莫大な金を出して、作り上げた物である。
ハイネックスはその物好きの刺激を促すために長い年月を費やしやっとこの海底にたどり着いた。
そして、この場所に当たりを付けて、3週間目。
調査の打ち切りまで今日を入れて4日しかない。
焦りが出始めてきた・・・
「ここもダメか・・・」
追い打ちを掛けるように相方のシモンが言った
「いやまだだ。まだ。当たっていない場所がある・・・」
そういうハイネックスもその言葉に自身は無かった。
さらに、そこから5分集中力が切れてきた頃にデッキから
ジャンヌがドアの音を荒く立てこの部屋に入ってきた。
「ヤバイよ!!空が荒れてきた。今日はもう引き上げたほうがよさそうだよ」
「冗談言え、残りの日が無いのに更に短くできるか」
ハイネックスはモニターから眼を離さず言った。
「機材を壊してしまったら次の手は無いんだぜ」
「海の中は至って穏やかだ」
「このまま調査を続けて大丈夫かどうかはあんたが一番知っていると信じているが俺の気の迷いか?」
「・・・」
今まで、彼の中では自信があった調査ゆえに引けなかったが、
彼の直感は『引くのは今しかない』と声がした。
彼の直感は今まで従って失敗したことがない。
と言うより、その直感のおかげで災難からほとんどの確率で助かった事もかなりある。
しかし今はその直感に更に強い意志で『まだ残れ』と声がしていた。
「引き上げよう」
彼は表情を変えずにそういった。
"ゴコォン"
彼の言葉を遮るように船の船底になにかがぶつかったような音がした。
全員その音に一度沈黙したが、彼の言葉も覚悟はしていたが重くのしかかっていた。
「とにかく・・・」
「待て」
ハイネックスの言葉を遮ってシモンがモニターに飛びついて叫んだ。
深く沈んだモニターの奥にはくっきりと地面がライトに照らされて映っている。
今の船の衝撃で潜水艇も引っ張った影響か。海底が少しあらされ、土煙を
あげてしまった。
「ここに・・・」
シモンはみんながモニターが見れるように横にどき、指で目的の場所を指してみた。
底にははっきりとあ分からないが顔のような造形物と、なにやら光物があった。
「近寄ってみるか?」

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