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Crossloads Universe
Tatch the Space


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「全く何でこんなにデブリ(ゴミ)が多いいのかしら?」
由佳はぼやいた。
「それよりも何で私がここにいるか知りたいわ。」
由佳に背を向けてワイヤーをデブリに引っかける作業をしている佳奈もぼやいた。
「私のせいだって言うの?」
「お喋りしてないでさっさと手を動かせ!!お前達につきあって私もここにいるんだからな!!」
宇宙服に着替えた佳奈、由佳そしてアシド教官の3人は、ADAよりも小さな作業ロボットで宇宙に飛んでいるデブリ(ゴミ)の回収をしていた。
大きな物でも宇宙空間だと簡単に物の移動が出来るため、大がかりな輸送船は特に必要な無い。
そして、近年宇宙開発と宇宙戦争により、各宇宙空間でかなりの宇宙ゴミが散らばっている。
「本当は今頃、ショッピングコロニーの中でディナーを楽しんでる頃なのにねぇ。」
「おかげで、今日はインスタント宇宙食品だけね。」
ボソッと佳奈が言う。
「だから、私のせいっていうなら・・・」
「いい加減にせんか!!」
アシド教官はスピーカー越しに二人の会話を抑制した。
宇宙空間では直接声が聞こえない。
だから怒鳴り声が直接スピーカーから入ってくる事を想定して、二人のアシド教官からの音声は弱めにしていた。
だけどそれを超える音量が耳に入ってくる。
二人とも流石に閉口して、むっとしたが、暫くは黙って作業を続けていたもののすぐに何でもない世間話を始めた。
何もない空間で自分達の息だけがヘルメット内に響く。
何もない空間で音楽も風の音も聞こえない。
それは、何もない空間に生きている人にとってみてはストレスでしかない。
だからアシドも軍隊とはいえ、EVA中は多少の無駄口ぐらいは認めているものの、油断するとすぐに喧嘩を始める。
頭を抱えたくなる問題児だ。
「音楽ぐらい流れてくれたらいいのにねぇ。」
「BGMで体に当たった小さなゴミに気がつかなくなるからダメなんだってさ。宇宙服に穴が空いている音とか聞き漏らしたら致命的でしょ。」
「へぇ。お姉ちゃん物知り。」
こういった、知識はちゃんとあるのは感心していた。
黙々と小さいデブリは腰の吸引袋に吸い付けて、大きなデブリは一カ所に集めてワイヤーでくくりつけ後で演習船で引っ張って回収できるようにする。
デブリは至る所にあるが、その一つ一つがかなりの距離がある。
近くまでは小型宇宙船で移動するが、ぶつからない様にある程度距離をとって腰のベルトと背中のバックパックに付けたバーニアーで移動するのだが、一つのゴミに到着するまでの距離があり手間なのである。
また目視では探すことも出来ない物もあるので小型宇宙船と各自の腕につけた金属センサーで探し出す。
センサーではかなりの数がこの地帯にデブリがあると表示している。
確か、この演習近くにあったデブリ地帯はかなり有名な場所らしくデブリを利用した訓練もあったはず。
「注意しないと事故まで起こすぞ!」
ヘルメットの中で、小憎たらしい顔をする姉妹だが、教官にはかなりの恩があることも理解している。
彼女らのいつも起こしている問題は大事になる直前であり、訓練校から表に出てしまえば厳しい処分で謹慎どころではない事態だが、こうして奉仕活動だけで済んでいるのは全てこの教官が各方々に頭を下げているからである。

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